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魔法庁からの接触・・・ およそ魔法庁から直々に接触されるほどの人物はこの3人の中にはいない、とヒースは思う。 しかし、名前まで正確に言われたのだから、いつからか自分たちに気づかれることなく監視されていたのだ。 「人に気づかれるんじゃあ、監視役も意味ないしな」 どこだか分からない屋敷の、なんのために作られたかわからない地下牢で、ヒースはのんびりと言う。 「たぶん、実体では近くにはいなかったんでしょうね。人の気配には私たち、感知するのは一般人以上でしょ? 魔法庁は、どこからか何かを媒介にして監視してたのよ。たしか、そういう術があったんじゃないかしら」 「へええ。よく知ってるじゃないか。あんた、魔法でも使えるのか」 ヒースの予想以上にフィリオが話したので、ちょっと突っ込んでみた。 「昔、魔法使いに憧れてたときがあったのよ。それで、幼いながらにも魔法書を読んでみたからね。最近までは、シェリルちゃんに借りて読んでいたし。 私の知識はあったかどうかを本で読んだかどうかのあいまいな記憶よ。あてにも出来ないけど」 ・・・そんなんじゃ、こんなところに閉じ込められる理由にはならない。 「おそらく、オレのことだろう」 ルゥはどこを見るのではなく、ぽつりと言った。 「魔法庁の許可なく魔法を使ってるってことか?」 そんな理由なら、ヒースやフィリオまで捕らえなくてもいいと思うのだ。ルゥの事に関しては、関係がないというと言い切れないが、それだけじゃないような気もする。 それだけではない、なにか。 その「なにか」のために、こうしてヒースたちは監禁されているのだろう。 「お前だけじゃないさ。それ以外の何かがあるはずなんだ」 「そうね。だとしたら、わたしたちに関係するものって・・・」 フィリオが言いかけたその時、重く閉ざされていた扉が開いた。 「どちら様のお出ましなのかしらね」 フィリオは戦場に向かう時のようなぎらぎらした目をして、扉を見つめた。 「まずは、アルラの見習いとはるばるここまで導いてもらって、ありがとうというべきか」 その口調は感謝の意すらも否定するものだった。 その声の主は、扉を開けたものの後ろにおり、何人もの人間によって守られている。 この人物は何者か? 「その口ぶりでは、わたしたちのこともあまり歓迎されていないのかしら?魔法庁のおエライさまってとこ?」 フィリオは依然、臨戦態勢で不敵な笑みもたたえている。これが「紅の死神」という名前になったのだろう、とヒースは感心してしまった。 「正直なところ、アルラの養女ですらもここへ来てほしくなかったのだが・・・」 あの男に捨て置くことはできたが、拾うものの存在を忘れておったなあと声の主が言う。 その言葉に敏感に反応したフィリオは、今までの表情から一変し、殺気を放ってようやく光の加減で見えた声の主を見た。 「紫のローブ?・・・長老位の・・・?!」 紫のローブとは、地位の高いものだけが身につけることが出来る色で、魔法庁でも数人しかいないと言われている。 今まで、監視をさせてきたのはこの男の命令によるもので、シェリルが一人でここまで向かうように仕向けたのも、この男なのだ。 「し、失礼だぞ!このお方は最長老の・・・!」 側近と思われるだろう、彼の横にいる神経質そうな細長い顔をした男は顔を真っ青にして怒鳴った。 「ふうん。オレ、特に魔法庁とかお役所関係興味なしなんで、誰が偉いとかって知らないのよね」 「私も。ヒースに同じく」 「・・・・・・」 それを聞いた側近は卒倒しそうなのをこらえているものの、二の句が告げず口をパクパクさせるだけだった。 「まあよい。わしが魔法庁の最長老、ラウだ。縁あって、あのアルラの娘と出会ったお前たちを野放しには出来んので拘束している」 「もったいぶらずに理由を教えて。どういうこと?」 「アルラの娘に関係する血のことでな」 |